LiFe(リフェ)〜震災から学ぶボランティアネットの会〜より抜粋
芸予地震ボランティア活動報告
活動報告 | 2年前の水害があったからこそ・・・ |
くれ災害ボランティアセンター事務局長 三島 義弘
3月24日に起こった芸予地震。被災地の1つである広島県呉市は2年前の6月、集中豪雨に遭い、初めてボランティアセンターが立ち上がりました。そしてその後、草の根の活動が継続され、今回の早期センター設立につながったのではないでしょうか。 |
1999年6月29日の大雨による水害から、わずか2年足らずでまたしてもボランティアセンター(以下VC)を立ち上げることになろうとは誰一人として予想をしていませんでした。
2001年3月24日、安芸灘で発生した芸予地震では、呉市内の家屋をはじめ地盤に多くの被害を与えたのです。前回の水害同様、被害は局地的なもので、状況が全く把握できていない中、翌25日には県内外のボランティアが30名ほど来呉され、彼らに後押しされる形で、午後にはVCを立ち上げることになりました。立ち上げに際し、構成メンバーは16団体を数えましたが、組織作りは前回の経験からスムーズに行えました。代表と事務局長はそのままスライドさせ、その下にニーズ調査(JC:青年会議所)、ボラ実行(RB:レスキューバイク)、事務局(社協)を置き、他の団体は各部門をサポートして頂き、とにかく責任を持って各部門に関わってもらいました。資金面に関しては、前回の教訓から、呉市では「呉市災害ボランティア支援基金」を施行しており、補助金が設立とほぼ同時に交付されました。また、各団体のネットワークによりホームページ等での呉の情報公開のおかげで、支援金、支援物資、人的支援、等十分な援助も頂けました。これは、前回以上の幅広い応援体制があったからこそ出来たわけです。
次にボランティア活動についてですが、今回は現場第一主義を貫きました。全体会議でも現場リーダーからの意見を重視し、明日以降の活動に役立てようと試みましたが、やはり多少の温度差はあったように思います。
今回はニーズ700件余り、ボランティア登録延べ3,000人を超え、前回とは比べ物にならないほどの大きな規模ではありましたが、迅速なセンターの立ち上げ、市民主導による運営ができたのは、前回関わった仲間が多くいただけでなく、個々のボランティアに対する意識の向上があったからと感じました。最後に、今回参加された熱き思いの団体、個人、多大なる御支援を頂きました方々に心より感謝致します。
活動報告 | くれ災害ボランティアセンターを終えて |
水戸川 和正(広島RB)
安芸灘を震源とする芸予地震は、呉の街にも大きな爪痕を残しました。しかし、2年前の水害VCで得た教訓を十分に生かし、非常に良い形で「くれ災害ボランティアセンター」を設立、運営することができました。今回の特徴として、@被災の翌日にはVCを設立、3日目には100名以上のボランティア達が集まった。A多くの団体が協力に駆け付け、それぞれの得意分野で活躍した。Bボランティアのための応急手当所がVC内に開設された。C日本赤十字社による現場巡回が行われ、ボランティアに安心して作業してもらえた。D現場までの送迎に、車両持ち込みのボランティア、マイクロバスの提供や、大型車の運転ボランティア等、様々な形の市民の協力があった。E自治会や民生委員等が積極的に活動に協力してくれた。等があげられ、まず地元の人が主体となり、そこへ官民を問わない全ての団体がサポートに徹して活動された形となりました。また、市役所1階ロビーの半分をVCが、また残りを災害対策本部が使う形でしたので、非常にスムーズな連携がとれ、双方で被災者を拾い出し、対応できた等の利点もありました。
現場作業は、呉市の地形上、山の谷あいに張り付いた宅地での瓦礫撤去等となり、階段道(三尺程度)で、土嚢袋に入った瓦礫をリレー形式の手渡しで、平地までの約300メートル運んだりするため、1チーム150名編成で行ったりもしました。
「がんばってね、また来るからね。」といって帰っていくボランティア、「どうしょうかと途方に暮れていましたが、今日からゆっくり眠れる。ほんまにみなさんありがとう。」と涙ぐむ高齢の被災者、現場には優しい空気が溢れ、人の厚意がとても嬉しい空間でした。今後は、この雰囲気を呉から全国に発信していく事で、駆け付けてくれた全国の皆さんに恩返しをしていきたいと思います。本当にありがとうございました。
活動報告 | 今治ボランティアセンターにて |
原谷 洋司(愛媛RB、ネットの会会員)
3月24日15:27芸予地震発生。この時、私は会社の倉庫で雑談をしていました。最初に揺れを感じた時は、「いつもの震度3くらいかな?」と思っていましたが、その後の突然の強い揺れ!震度5強の揺れは恐怖さえも感じました。地震から3日が経過し、今治市で災害VCが立ち上がることを新聞で知り、28日から「今治NPOサポートセンター」が中心となって開設された災害VCの支援に向かいました。現地では「くれ災害VC」で2日間活動していた愛媛RBの仲間と合流し、呉での資料と今までの災害ボランティアの経験を基にVCの基盤と体制作りから始めました。愛媛県では、災害ボランティアを行うのも受けるのも慣れていない為かと思われますが、ニーズ、ボランティア共に今まで経験したVCより極端に少ない数でした。しかし、老人介護のボランティアの協力を得て、市役所や社協が対応出来ていない高齢者宅のリストを作成、訪問してニーズの掘り起しも行いました。この作業で感じた事は、さすがにお年寄りの方との会話に慣れているボランティアが来訪すると、困っている事等色々とお話をしてくれるものだ!という事です。私が同行した独居老人のお宅では、訪問した途端に家族がいない為か、地震の時に恐かった話や家の中の崩れた壁や倒れた家具を見せて沢山話をしてくれました。まずは話をゆっくり聞くことが一番大切な事だと実感しました。
今治市での災害ボランティア活動は非常に小さい活動でした。目に見えている被害は大した事が無かったかもしれません。しかし、今回の今治での活動で学んだ事は、例え少ないニーズでも確実に困っている人達がいる事を教わりました。特に隠れて表面に現れないニーズが。今治NPOサポートセンターでは、ニーズがあれば、今でも地元のボランティアがお手伝いに行っているそうです。私が名古屋で学んだ事が今治で少しは役に立ったのかな?と思っています。
-2001.5.1付 赤十字新聞(第731号)より抜粋-
3月25日には、特殊赤十字奉仕団であるレスキューバイク赤十字奉仕団が呉市社会福祉協議会などと共同で呉市役所内に「くれ災害ボランティアセンター」を設置。地震により崩壊した住家のがれき撤去ボランティアのコーディネートを実施。
(写真は、日赤広島県支部のスクラムを先導して出動する、奉仕団對馬副委員長、杉野副委員長。)
2001.4.8(日)
●くれ災害ボランティアセンター業務終了●
4月8日をもちまして、くれ災害ボランティアセンターの業務は終了しました。作業を担っていただいた多くのボランティアさんをはじめ、様々な方々のあたたかいご協力・ご支援のもと、くれ災害ボランティアセンターの業務を終了しましたことをご報告いたします。ありがとうございました。
くれ災害ボランティアセンター代表 浜田氏より、活動終了が告げられた。 |
常に中心的役割を果たした、広島RB 水戸川副代表。(左から2人目) |
2001.4.8のくれ災害ボランティアセンターの
模様は、こちらをクリックして下さい!!
2001.4.7のくれ災害ボランティアセンターの
模様は、こちらをクリックして下さい!!
2001.3.31〜4.1くれ災害ボランティアセンター
の模様は、こちらをクリックして下さい!!
呉市内のボランティア活動状況(岡山RB小原隊員提供)
東広島市内 被災家屋 | 東広島市内 被災家屋 |
東広島市内 被災家屋 | 三原市内 R185 土砂崩れ現場 |
映像を御提供下さいました岡山RB森田様、 どうも有難うございました!! (広島RBインターネット隊副隊長@杉野) |
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呉市西辰川で瓦礫撤去を行う、 岡山RB小原隊員(右から2人目) -山陽新聞より- |
<関連ホームページ>
くれ災害ボランティアセンター
広島市災害ボランティア本部
広島RB赤十字奉仕団
日本赤十字社広島県支部
愛媛RB
岡山RB
千葉RB
震災がつなぐ全国ネットワーク
超バイク隊
岡山理科大学 地震危険予知プロジェクト
<くれ災害ボランティアセンター>
「くれ災害ボランティアセンター」について
平成13年3月25日、13:00に呉市役所1Fに呉地域での活動を行う「くれ災害ボランティアセンター」を設置しました。
平成13年4月8日、くれ災害ボランティアセンターは、その業務を終了致しました。
「くれ災害ボランティアセンター」の体制
代 表 浜田成司(くれ災害ボランティアセンター「大きな和」代表)
事務局長 三島義弘(くれ災害ボランティアセンター「大きな和」事務局長)
ホームページ http://www.kurepo.com/
構成団体
くれ災害ボランティアセンター「大きな和」、くれボランティア・NPO支援センター、呉市社会福祉協議会、呉市青年ボランティア協議会、呉市婦人ボランティア連絡協議会、連合広島呉地協、広島RB、広島RB赤十字奉仕団、瀬戸内レスキューストックヤード、HIROSHIMA青年赤十字奉仕団、鹿児島県防災ボランティア、小田原赤十字奉仕団、国際ボランティア学生協会
、福井救護奉仕団 、石川県防災ボランティア、岡山機動奉仕団、IVUSA、大阪RB、奈良RB、愛媛RB、岡山RB、千葉RB、清水RB、ガーディアンエンジェルス、四万十塾、神戸元気村、呉青年会議所、SeRV(真如苑災害救援ボランティア)、震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)
本部内容
地震により崩壊した市内民家の瓦礫撤去等にともなう、ボランティアの受付・調整等を行いました。
県外・市外からのボランティアも募集しました。
2001.3.25〜4.8
<くれ災害ボランティアセンター活動状況>
活動日 | 3/25 | 3/26 | 3/27 | 3/28 | 3/29 | 3/30 | 3/31 | 4/1 | 4/2 | 4/3 | 4/4 | 4/5 | 4/6 | 4/7 | 4/8 | 合計 |
VO要請 | 14 | 121 | 111 | 69 | 93 | 46 | 47 | 43 | 56 | 39 | 7 | 23 | 15 | 12 | 5 | 701 |
VO申出 | 52 | 52 | 106 | 118 | 176 | 143 | 247 | 307 | 136 | 155 | 211 | 249 | 136 | 310 | 168 | 2566 |
活動実績 | - | 17 | 37 | 44 | 32 | 45 | 150 | 133 | 42 | 41 | 48 | 25 | 18 | 41 | 28 | 701 |
(※活動実績には、自己完了・キャンセル分も含んでおります。)